ホームページでご紹介している杉田明十志さんのマリオネット「宿る胸を探すココロ天使」、不思議な雰囲気を纏った作品です。
大きさは26cmと小振りな作品。
素材は、桐塑(とうそ)。
桐塑とは?杉田さんが解説してくださいました。
奈良時代からあった乾漆にも使われた技法で、当時は大鋸屑に漆を
乾漆像の細部の造形に使われました。
現代の桐塑は、桐の大鋸屑に正麩糊を加えて練ったものを、
型に詰めたり、手びねりで造形したりして乾燥させます。
彩色は、アクリルガッシュ。
独特の雰囲気は、その素材からも発せられているように感じます。
展示台含めて94cm。縦型のコントロールには杉田さんらしい工夫が見て取れます。
羽が動き、空を飛びます。
飛びながら「宿る胸」を探しているのでしょうか。
この作品のイメージの源についても、杉田さんから解説を頂きました。
ココロ天使も、“nanika”シリーズの一つで、
心に浮かんだ姿を、あまり準備をせずに、作りながら姿を決めてゆ
ですから自分でも作りながら「きみは何者だ?」と思っているので
「宿る胸を探すココロ天使」は、
“心無い人があまりに多いので、心が宿る胸を探して彷徨っている
というイメージから始まったのですが、“心がわからない”のは自
実はこの子は、“宿っていた主から忘れられた心”で、
自身の宿り主の元に“帰ろうとしている”のかもしれません。
僅かな動きで細やかな表情を見せてくれるココロ天使。
泣いているような困っているような怒っているような、、、見つめているうちに、なんとも言えない気持ちが湧き上がるのは、自分自身の胸の中を覗いているようなそんな気持ちになるからかも。。。
解説の中にある“nanika”シリーズは、杉田さんのInstagramなどでご覧いただけます。
今まで見てきた杉田さんの美しくて愛らしい作品とはまた違った「ココロ天使」。
その存在感を、ぜひお近くで見ていただきたいと思います。
もちろん、動きもご覧いただけますのでお気軽にお声がけください。
★杉田明十志 SugitaMeijuushi @hyakueido Instagram
天使の羽の付け根には、サインが入っています。
「cunae cunabula(クナエ・クーナーブラ)」は、
杉田さんが、数年前から主に絵の署名に使っている名前だそうです。
和風の人形には「杉田明十志」 そのほかの作品には「cunae cunabula」を使い分けているということです。
「cunae」「cunabula」ともに、ラテン語で「揺籃」
「cunabula」には「発祥の地、源、出生地」の意味があり
「cunae cunabula」で「故郷の揺籃」のような意味になるそうです。
※「揺籃 ようらん」とは、ゆりかごのこと。
「宿る胸を探すココロ天使」がここに至るまでのスケッチをまとめた杉田さん手作りの小冊子もご覧いただけます。









